お焼香の作法
目次
- 1. お焼香の意味とは
- 2. お焼香をする順番
- 3. お焼香の行い方
- 4. お焼香の回数は宗派によって異なる
- 5. お焼香の回数は自分の宗派に合わせる
- 6. お焼香のタイプ
お焼香の意味とは
お焼香とは、葬儀や法要の際に香を焚いて故人や仏様に対して敬意を表す行為です。香の「香り」や「煙」には、空間を清める効果や心を鎮める効果があり、故人への供養や自分自身の心身を清める意味があります。
お焼香をする順番
お焼香は、故人との関係が近い方から順番に行います。一般的には、喪主が最初にお焼香をし、その後に遺族、親戚、参列者の順に続きます。式場内では席次が決められており、スタッフからの案内に従って順番にお焼香を行います。 社葬の場合は、葬儀委員長・遺族・親族・参列者(取引先、一般会葬者、社員、係員)の順番で行います。
お焼香の行い方
お焼香の基本的な流れは以下の通りです。
- 焼香台の前に進み、遺族と僧侶に一礼します。
- 焼香台の前で遺影に一礼します。
- 数珠を左手に掛け、右手の親指、人差し指、中指で抹香を摘まみます。
- 抹香を額の高さにおしいただきます(宗派によって異なる)。
- 抹香を香炉に静かに落とします。
- 合掌し、故人の冥福を祈ります。
- 再び遺影に一礼し、遺族に一礼して席に戻ります。
お焼香の回数は宗派によって異なる
お焼香の回数は宗派によって異なります。以下に主な宗派ごとの回数を示します。
天台宗:1~3回
天台宗では、抹香を額の高さにおしいただき、焼香を1~3回行います。
真言宗:3回
真言宗では、抹香を額の高さにおしいただき、焼香を3回行います。これは仏、法、僧の三宝を敬う意味があります。
浄土宗:1~3回
浄土宗では、抹香を額の高さにおしいただき、焼香を1~3回行います。特に決まった回数はありません。
浄土真宗本願寺派:1回
浄土真宗本願寺派では、抹香を額におしいただかず、そのまま1回焼香します。
浄土真宗大谷派:2回
浄土真宗大谷派では、抹香を額におしいただかず、そのまま2回焼香します。
臨済宗:1回
臨済宗では、抹香を額にいただかずに1回だけ焼香します。
曹洞宗:2回
曹洞宗では、1回目は抹香を額の高さにおしいただき、2回目はそのままの状態で焼香します。
日蓮宗:1~3回
日蓮宗では、抹香を額の高さにおしいただき、焼香を1~3回行います。
お焼香の回数は自分の宗派に合わせる
参列する葬儀の宗派が分からない場合でも、自分の宗派に合わせた回数でお焼香を行って問題ありません。周囲の参列者のやり方を参考にするのも一つの方法です。また、参列者が多数いる場合は時間の関係上、お焼香の回数が主催者側から案内されることがありますので、それに従います。
お焼香のタイプ
お焼香には、立礼焼香、まわし焼香、座礼焼香の3つの形式があります。それぞれの形式について説明します。
立礼焼香
立礼焼香は、立った状態でお焼香を行う形式です。以下の手順で行います
- 焼香台の前に進み、遺族と僧侶に一礼します。
- 焼香台の前で遺影に一礼します。
- 数珠を左手に掛け、右手の親指、人差し指、中指で抹香を摘まみます。
- 抹香を額の高さにおしいただきます(宗派によって異なる)。
- 抹香を香炉に静かに落とします。
- 合掌し、故人の冥福を祈ります。
- 再び遺影に一礼し、遺族に一礼して席に戻ります。
まわし焼香
まわし焼香は、座った状態で香炉を回してお焼香を行う形式です。以下の手順で行います。
- 香炉が回ってきたら、軽く会釈して受け取ります。
- 香炉を自分の前に置き、遺影に向かって合掌します。
- 抹香を右手で摘まみ、香炉に落とします(1~3回)。
- 再び合掌し、次の人に香炉を回します。
座礼焼香
座礼焼香は、座った状態でお焼香を行う形式です。以下の手順で行います。
- 立ち上がらずに膝を立てて進みます。焼香台の前に進み、焼香台まで距離がある場合などは中腰の姿勢で進みます。 正座で遺族と僧侶に一礼します。
- 焼香台の前で正座のまま遺影に一礼します。
- 数珠を左手に掛け、右手の親指、人差し指、中指で抹香を摘まみます。
- 抹香を額の高さにおしいただきます(宗派によって異なる)。
- 抹香を香炉に静かに落とします。
- 合掌し、故人の冥福を祈ります。
- 再び遺影に正座で一礼し、遺族に一礼して膝を立てて席に戻ります。
お焼香の作法や回数は宗派によって異なりますが、基本的な流れを理解しておくことで、葬儀の際に落ち着いて行動することができます。心を込めて故人を偲び、正しい作法でお焼香を行いましょう。