弔電について
弔電とは
弔電とは、ご遺族に対して弔意を表しお悔みの気持ちを伝える電報です。
一般的に、弔電とは訃報の連絡を受け、何らかの事情で通夜、葬儀に参列できない場合に送るもので、通夜、葬儀のいずれかに参列できる場合には送らないとされています。
社葬・お別れの会における弔電の手配
■個人葬と社葬・お別れの会の違い
個人の葬儀と社葬・お別れの会の最も大きな違いは運営の主体が会社であるという点です。
個人の葬儀の場合は、葬儀の主催者である「喪主」が、運営の責任者であり、葬儀費用を負担する「施主」も同一人物であるというのが一般的です。
一方、社葬・お別れの会の場合は「喪主」と「施主」が異なり、「喪主」は遺族が務め、「施主」は会社が務めるというのが一般的です。また、対外的な代表者として社長などが「葬儀委員長」を務める場合があります。
■弔電の宛先
以上のような状況から、葬儀に参列できない場合、どなた宛に弔電を送るのか悩まれる方も多いですが、社葬・お別れの会においても、面識の有無にかかわらず喪主宛で式場に送るのが一般的です。
■弔電を送るための事前確認
弔電は葬儀に参列できないときに送るものですが、訃報を受けたら弔電を送ることも見越して、喪主名、式場の住所や電話番号を伺っておくとよいでしょう。
■社葬・お別れの会における弔電の差出人
社葬・お別れの会で弔電を送るときは、差出人を「会社名(団体名)+差出人名(社長や担当役員など)」とするのが一般的です。
重要取引先へは社長名と担当役員名で1通ずつ送ることもあります。
事前に送り先との関係性や自社の規程を確認しておきましょう。
■社葬・お別れの会に弔電を送るタイミング
社葬・お別れの会の通知状(案内状)を受け取ったら、社葬・お別れの会前日までに式場に届くように弔電を手配しましょう。社葬・お別れの会は当日までに時間が空く場合もありますので、送り忘れなどの失礼がないようにするためにも早めに手配しておくとよいでしょう。
故人と親しい間柄の場合は、早めにご自宅に送ることもありますので、相手先に応じて臨機応変に対応しましょう。
■社葬・お別れの会に弔電を送る申し込み方法
弔電は、NTTをはじめ、様々な企業がサービスを行っています。
例えば、NTTの電話受付は8時から19時まで、インターネット受付は24時間です。8時から19時までに手配した弔電は当日中に手配されます。
弔電の文章が決まったら、電報サービスのWebサイトから弔電台紙のデザインを選択しましょう。そして、お届け先やお客様情報、弔電の文章、お支払い方法などを入力していきます。
■弔電の台紙の選び方
台紙にも、ベーシックなものからお線香や刺繍、プリザーブドフラワーや黒塗りの漆のケースがついているものなど、様々なデザインがあります。
送り先との関係性に適した価格帯、デザインのものを選ぶと良いでしょう。
社葬・お別れの会における弔電の相場は、~7,000円、関係性が深い相手や役職者の場合は、もう少し高額なものでもよいでしょう。
また、相手の宗派がわかっているのであれば、それぞれに適したデザインがあります。仏教なら菊や蓮の花、キリスト教なら百合や蘭、相手の宗教が不明な場合は宗派を選ばない菊や百合、カーネーションがデザインされたものがよいでしょう。
弔電を送る際の注意点
弔電は定型文を利用することが一般的になりつつありますが、より故人を偲ぶ際には、故人とご自身との思いを言葉にして送る場合もあります。その際に注意しなければならない点もありますのでご注意ください。
- 忌み言葉を避ける
忌み言葉とは、不幸が続くことを連想させるため、信仰上の理由や葬式・葬儀・告別式・結婚式などの特定の場面での使用を控える言葉です。
「重ね重ね」「くれぐれも」「皆々様」など、同じ言葉を繰り返す重ね言葉を使うことは避けましょう。
音が「死」と同じ「四」、「苦」と同じ「九」の他、「亡くなる」「死亡」「生きている」「存命」など、生死を直接的に表現する言葉も使わないようにしましょう。 - 親しい間柄でも、くだけた内容にはしないようにしましょう。
- 故人の生活のご様子など、あまり立ち入った内容にはしないようにしましょう。
- あまりに短い内容や、長すぎる文章にならないように注意する必要があります。
- 弔電においては、喪主から見た故人との関係を敬称で記載します。
必ず関係性を確認し、敬称に間違いがないよう十分注意しましょう。
<弔電で使う敬称例>
喪主との 続柄 | 敬称 |
---|---|
父 | ご尊父様 |
母 | ご母堂様 |
祖父 | ご祖父様 |
祖母 | ご祖母様 |
喪主との 続柄 | 敬称 |
---|---|
兄・義兄 | ご令兄様 |
姉・義姉 | ご令姉様 |
弟・義弟 | ご令弟様 |
妹・義妹 | ご令妹様 |
喪主との 続柄 | 敬称 |
---|---|
夫 | ご夫君様 |
妻 | ご令室様 |
息子 | ご令息様 |
娘 | ご令嬢様 |
喪主との 続柄 | 敬称 |
---|---|
夫の父 | お舅様 |
夫の母 | お姑様 |
妻の父 | 妻の父 |
妻の母 | 御岳母様 |
■【社葬・お別れの会の弔電】文例12選
弔電の文章を考えるなら、文例を参考にして作成するのがおすすめです。ここでは、社葬・お別れの会で使える弔電の文例を紹介します。
○○専務の突然のご逝去に接し 言葉もございません
ご生前の功績を偲び 心からお悔やみ申し上げます
貴社の○○様の突然のご訃報に 職場の一同 まことに驚愕しております
在りし日を偲びつつ 心よりご冥福をお祈り申し上げます
永年ご活躍されてきた○○社長の不慮のご逝去に接し 深く哀悼の意を表します
安らかにご永眠されますよう 心よりお祈り致します
貴社○○氏のご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げます
生前に賜りましたご厚情に 心より感謝致します
貴社○○様のご急逝の報に接し 弊社社員一同 悲嘆に暮れております
ご生前のお姿を偲び 心からご冥福をお祈り致します
貴社会長○○様が天寿を全うされたとの報 謹んでお悔やみを申し上げます
生前の偉大なご功績をたたえ ご冥福を心よりお祈りしております
○○様の突然の悲報に 私ども社員一同 驚愕しております
ご生前にいただいたご厚情に深く感謝するとともに 謹んでご冥福をお祈り申し上げます
会長○○様には幾多のご厚情をうけながらも ご恩返しができず 痛惜の念もひとしおです
安らかな旅立ちでありますよう 心よりお祈り申し上げます
社長様のご訃報に接し 哀惜の念にたえません
ご遺族の皆様 ならびに社員ご一同様に 衷心より哀悼の意を表します
■社葬・お別れの会における弔電のマナーを理解して、失礼のない対応を
社葬・お別れの会と個人葬の違い、弔電の送り方を正しく理解して、相手の会社に失礼のないようにしましょう。弔電をどのように送るかでも、故人やご遺族へより気持ちを伝え寄り添うことができます。
※本項目は、講談社発刊/セレモア監修『社葬のすべて』から、一部内容を引用しております。