弔辞について
弔辞を依頼されたら
ご遺族や喪主様から弔辞のご依頼を受けられたときには、特別な理由がない限りは、お引き受けされると良いでしょう。弔辞は故人に対する尊礼の気持ちを表すものであり、社葬・お別れの会の場合、弔辞のご依頼は会社対会社、企業対企業の極めて公式なご依頼として受け取めるべきでしょう。
弔辞をお願いする
弔辞はどなたにお願いすればいいのか
弔辞は何名の方にお願いすればいいのか
弔辞を読む順番はどうやって決めればいいのか
弔辞はいつお願いすればいいのか
弔辞を読んでいただいた方へのお礼
弔辞を読んでいただいた方へのお礼状(例文)
文例としては、以下の通りです。
謹啓 弊社社長○○の葬儀に際しましては、ご多用中にもかかわらず、ご会葬いただいたうえ、ご鄭重なるご弔辞を賜わり厚くお礼申し上げます。
〇〇が一番親しんでいました〇〇様にご弔辞いただいて、〇〇もさぞや喜んでいると思います。
亡き社長にかわりまして、生前賜りましたご厚情に感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
本来ならお目にかかってお礼申し上げるべきではございますが、略儀ながら書中を以てお礼申し上げます。
謹白
弔辞を依頼されたときの準備と心構え
弔辞に込める思い
冒頭は、故人への呼びかけから始めます。故人の訃報に接した際の驚きや悲しみの気持ちを認めましょう。
主題となるのは、故人の人柄や功績、お二人の間のエピソード、そして、故人に伝えたい約束や決意を添え、ご遺族へお悔やみの言葉、故人への最後の言葉をお伝えください。
弔辞の書き方
弔辞はご遺族の元に、故人の思い出の一つとして長く保存されます。文字は丁寧に書き、代筆であっても構いません。
文頭や改行の際には、行頭の一文字下げる必要はなく、句読点を打つ必要もありません。読みやすいように一字分空けて書きましょう。
弔辞は故人へ語りかけるとともに、ご遺族や参列者の皆さんにも聞いていただくものです。聞き取りやすい、わかりやすい言葉を選びましょう。
社葬・お別れの会の場合、事前にご担当者に弔辞の内容を確認いただくことで、両社の関係をより深く、強いものにしていくことができるでしょう。
弔辞の読みかた
<社葬・お別れの会アドバイス>
自分の他に依頼された方がいるのか。内容が重複しないようにするために確認しておきましょう。
故人の経歴を確認する。生年月日、氏名、名称などの間違いを防ぐため(依頼する側は、故人の経歴書をお渡しする配慮をします)ゆっくり、はっきりと朗読します。早口の弔辞は聞きとりにくく、軽い印象を与えます。
社長への弔辞(社員代表より)
○○株式会社社長・故○○殿の社葬にあたり、全社員を代表いたしまして、謹んでご霊前に弔辞を捧げます。
○○社長は、○○年○○月○○日午前○時○分に、○○のため、○○年にわたる生涯を閉じられました。社員一同、ここに深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様方に心からお悔やみを申し上げます。
○○社長は今から○○年前に当社の前身であった○○を創立され、着実にその経営基盤を固められ、○○年後に当社を設立されました。その後も社業ならびに業界の発展に全力を尽くされ、平成○○年からは当社と当業界の最古参としてご活躍になり、平成○年に勲○等○○章受賞の栄に輝かれました。さらにこの間、市の障害者福祉の面でも多大な貢献をされ、三度にわたり、市長賞などの感謝状を受けられました。このようにわが社にとって、その中心となり輝く存在を失うこととなり、まさに痛恨の極みであります。
○○社長は外出などの御用のないときには、毎朝、弊社の正門に立たれ、社員一人ひとりに「おはよう」とお声を掛けられる、社員への思いの強い経営者でした。
私どもの今の思いは、ともすれば社長のご生前の思い出に向かいがちです。しかし過去を振り返ることを何よりも嫌われた社長に対し、それはあまりにも失礼なことでしょう。社長という大きな存在、大樹、太陽を失って、視線も定まらないような社員一同ではございますが、まずは社長が示された経営理念、指針をしっかりと見定め、全社員が日々弛まず一歩前進してまいることをお誓い申し上げます。
○○社長、私達とその日々の営みを、どうかいつまでもお見守りください。私達も、社長の大きなお姿を絶対に忘れません。社員一同、心からご冥福をお祈り申し上げます。
※本項目は、講談社発刊/セレモア監修『社葬のすべて』から、一部内容を引用しております。