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弔辞・お別れのことばの書き方
弔辞は、故人への最後のお別れの言葉です。故人の人柄や思い出、ご遺族へのお悔やみなどを語り、最後は故人の冥福を祈る言葉で結びます。
文章の構成を考える
1.お悔やみの挨拶
故人の冥福を祈る言葉や残された方の思い
2.故人に対する功績や経歴
会社の設立や業績を讃え企業の発展をした方に社葬の開催が相応しいと思える内容
3.故人の人柄
会社や社員を牽引した故人の人間性や遺した言葉、また趣味などの内容
4.今後の体制を関係者に示す
今までの故人への感謝、故人の意思を継ぎ新体制で牽引する決意
5.ご遺族への言葉
ご遺族への哀悼の言葉・お悔やみの言葉
弔辞・お別れのことばの注意点
弔辞やお別れのことばの奉読時間は概ね3分~5分が一般的です。原稿用紙2,3枚程度(800~1000字程度)の原稿を目安に下書きを用意し清書をします。文章があまり長くなると社葬やお別れの会の進行に支障をきたすこともあるので注意が必要です。また、文章を作成せずに弔辞を述べてしまうと思いが高ぶってしまい、長くなってしまう可能性があるので注意しましょう。上手く奉読するということよりも、故人を心から思い、丁寧にゆっくりと奉読することを意識されるとよいでしょう。
弔辞のマナー
弔辞は読み上げた後、御霊に供えられ、ご遺族や先方企業の元に長く保存されます。忌み言葉などを使用しないよう十分に注意し、誤字や脱字などが無いよう、原稿、清書をしっかりと確認しましょう。文字は丁寧に書き、代筆であっても構いません。文頭や改行の際、一文字下げる必要はなく、句読点を打つ必要もありません。読みやすいように一字分空けて書きましょう。弔辞を依頼された際は、自分の他に依頼された方がいるのか、また内容が重複しないようにするために確認しておきましょう。故人の経歴も確認し、生年月日、氏名、名称などの間違いを防ぎましょう。早口の弔辞は聞きとりにくく、軽い印象を与えてしまうので、ゆっくり、はっきりと朗読しましょう。
奉書紙か巻紙に薄墨で
正式には奉書紙か巻紙に毛筆で書きます。セレモアで筆耕も承ります。
一折は、約8㎝幅でたたむ
奉書紙は、次の方法でたたみます。
奉書紙か白い封筒に包む
弔辞が書かれた奉書紙と別の奉書紙に包みます。表側に「弔辞」もしくは「お別れのことば」と手書きします。
弔辞の服装
弔辞奉読者の服装は、正式には正礼装を着用されておりますが、昨今では略礼装を着用することも多くなっています。葬儀委員長と格式を合わせることもあるので、事前に確認しておきましょう。
言葉づかいのマナー
葬儀や告別式などお悔やみの場には、言葉のマナーがあります。避けたほうがいい忌み言葉、弔辞・お別れのことばで使う敬称など、マナーとして確認しておくとよいでしょう。
重ね言葉例 | |
---|---|
重ね重ね | たびたび |
いろいろ | つぎつぎ |
しばしば | ますます |
繰り返しの言葉例 | |
---|---|
再び | 追いかける |
追って | なお |
引き続き | 次に |
不幸を連想させる言葉例 | |
---|---|
四(=死) | 終わる |
九(=苦) | 切れる |
四苦八苦 | 消える |
宗教別・避けるべき言葉例 | |
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仏教 | 浮かばれない |
迷う | |
天国 | |
冥福(浄土真宗の場合) | |
神道 キリスト教 | 成仏 |
供養 | |
冥福 | |
往生 |
※句読点(。、)も『終わる』『切れる』という意味合いを持つため、弔電などでは避け、代わりにスペースを入れます。
弔事の例
(例文1)会長への弔辞~代表取締役社長より~
本日ここに〇〇株式会社、故〇〇〇〇会長の社葬を執り行うにあたり、謹んで御霊前に哀悼の辞を申し述べます。
ご療養の甲斐も空しく、会長の訃報に接し、わたくしどもは、この上なく、誠に残念でなりません。
会長は、極めて厳格であられた反面、非常に愛情細やかなお人柄で、人材を育てることに関しては余人の追随するところではありませんでした。
仕事に対する気迫の凄絶さは、瞠目に値し、お側にいるだけで、常に多大なものを学ばせていただくことができました。ここまで我が社が見るに至りましたのも、ひとえに会長が新しい時代感覚を経営に活かし、後に続く者が積極果敢な実行力を発揮できる土壌を培ってくださったおかげであります。今後は、会長のお言葉を思い浮かべ、遺されたご教訓を守って、社業に一層専念し、さらに大きく発展させる覚悟でおります。
最後に、御霊の安らかなご冥福を祈りつつ、深い哀悼の思いを込めて弔辞と致します。
令和〇〇年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役社長 〇〇〇〇
(例文2)専務への弔辞~代表取締役社長より~
本日執り行います社葬に臨んで、故〇〇専務の御霊前に謹んで哀悼の意を捧げます。
これほど早く、君に会えない日が来るとは、一体誰が予想したでしょう。君を失った損失の大きさは、残念とも無念ともいいようがありません。君は我が〇〇会社にとって、欠くことのできない大切な人材でありました。
後輩諸君はもとより先輩にあたる人々からも、君の実績と見識は認められ信頼されておりました。思えば、初めは不可能と思われ、各社が手を付けなかった○○の開発も、君の強い意志と行動力で、我が社が他に先駆けて大きな業績を挙げることができました。これは社内ばかりでなく、業界においても長く記憶に留められることでありましょう。
苦楽を共にした仲間たち、手を取り合って励んでくれた同期の人たち、また君の後に続く後輩たちは、君の残した愛社精神を引継ぎ、今後の諸問題に対処し、難関を乗り越えていく覚悟を固めたに違いありません。
また、ご家庭では良き父、良き夫であったかけがいのない君を突然失ったご家族の悲しみは、想像に堪えません。ご家族の方々の今後のご相談役として微力ながらも私にできる最善を尽くしたいと決意しております。君のご霊前に立ち、心から今までのご労苦に対し、深い感謝の念を贈ると共に、ご冥福をお祈り申し上げ弔辞と致します。
令和〇〇年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役社長 〇〇〇〇
※本項目は、講談社発刊/セレモア監修『社葬のすべて』から、一部内容を引用しております。