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エンゼルケアとは 目的や具体的な手順を解説
エンゼルケアは、故人が亡くなった後に行う大切なケアの一つです。故人が生前の姿に近い状態でお別れできるようにするための処置であり、遺族の心のケアにも重要な役割を果たします。この記事では、エンゼルケアの目的や具体的な手順について詳しく解説します。
エンゼルケアの目的
エンゼルケアには主に以下の3つの目的があります。
1. 感染症を予防するため
ご遺体は時間が経過すると腐敗が進み、体液や血液が漏れ出すことがあります。これにより、家族や医療スタッフ、葬儀社の担当者が感染症にかかるリスクが生じます。エンゼルケアは、こうした感染症を予防するために行われます。
2. ご遺体をきれいに整えるため
病院や施設で亡くなる方が多い現代では、医療器具が体に装着されていることが一般的です。これらの器具を取り外し、ご遺体をきれいに整えることもエンゼルケアの重要な目的です。
3. ご家族の心をケアするため
長い闘病生活や事故で亡くなった場合、故人の姿が変わってしまうことがあります。エンゼルケアを行うことで、遺族が「最後に自分たちでケアをしてあげられた」と感じ、死を受け入れるきっかけとなります。
エンゼルケアの具体的な手順
エンゼルケアは、医師による死亡確認が済み、医療機器が外された後に行われます。以下は一般的なエンゼルケアの手順です。
1. 事前説明と確認
まず、ケア内容について遺族に説明し、同意を得ます。遺族がケアに参加するかどうかも確認します。
2. 医療器具の取り外し
感染予防のためにマスクやガウン、手袋を着用し、点滴やチューブ類を取り外します。
3. 傷跡や体液の処置
医療器具を取り外した跡の縫合や、体液が漏れ出ないように詰め物を行います。口腔ケアや目・鼻のケアも行います。
4. 洗髪・整髪
シャンプーで髪を洗い、タオルやドライヤーで乾かして整えます。
5. 全身清拭・保湿
全身をやさしく拭き、乾燥を防ぐためにボディクリームなどで保湿します。
6. エンゼルメイク
故人が使っていた化粧品や好みを聞きながらメイクを施します。男性でも顔色がよく見えるようにメイクを施し、ひげを剃ります。
7. 着替え
遺族の要望を聞き、着物や洋服に着替えさせます。故人が愛用していた服を着せることもあります。
8. 体勢を整える
最後に遺族と確認しながら、合掌させる、顔に白い布を被せるなどで体勢を整えます。
エンゼルケアを行う人
エンゼルケアは、病院では看護師が、介護施設では看護師や介護職員が行うことが一般的です。また、葬儀社のスタッフや納棺師が行うこともあります。自宅で亡くなった場合は、葬儀社や専門業者に依頼することが一般的です。
エンゼルケアの費用
エンゼルケアは医療保険の対象外であり、費用は全て自己負担となります。病院や施設によって対応範囲や金額が異なりますが、一般的には数千円から数万円程度です。事前に費用について確認しておくことが望ましいでしょう。
故人に尊厳ある旅立ちをさせるために
エンゼルケアは、故人に尊厳ある旅立ちをさせるため、そして遺族の心を安定させるための重要な過程です。より良いお別れができるように、事前に病院や葬儀社に相談しておくと良いでしょう。
エンゼルケアを通じて、故人が生前の姿に近い状態でお別れできるようにすることは、遺族にとっても大切な心のケアとなります。尊厳ある旅立ちをサポートするために、エンゼルケアの重要性を理解し、適切な対応を心がけましょう。