仏式の社葬
宗派や菩提寺の確認
日本のお葬儀の9割以上は仏教式と言われていますが、仏教でも宗派により葬儀作法などがそれぞれ異なります。また、葬儀を行う際には遠方でも菩提寺(ぼだいじ)に連絡するのが原則となっています。
菩提寺とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことで、葬儀などの相談にのってもらえる場所でもあります。自家の宗派や菩提寺をご存じない方は、ご年配のご親族などに宗派や菩提寺を確認しておきましょう。
また、菩提寺がない場合でも代々の宗派はあるものです。宗派がわかれば、あとはセレモアにお任せください。同じ宗派のお寺様をご紹介いたします。
仏教の葬儀の流れ
ひとことで仏教と言っても、宗派により葬儀作法が異なりますが、ここでは、一般的な仏教式の葬儀の流れをご紹介いたします。
現在は、ご自宅以外(病院や老人ホームなど)でご逝去される方が多くなっています。特に病院などではあまり長くいられないこともあり、すぐにご自宅やご安置施設へお移しする手配が必要になります。病院から搬送会社を紹介される場合もあり、その搬送会社へ依頼することもできますが、できれば事前に葬儀社を選んでおき、連絡できると安心です。
ご自宅でご安置をされる場合、ご弔問に備えて「枕飾り」をいたします。自家の宗派にのっとって、水・線香・ローソク・香炉・おりん・一輪の花などをお供えします。(当社でご用意いたします。)ご飯を新しく炊き、故人様が生前愛用していたお茶碗に山盛りにして箸を立てます。なお、宗派にもよりますが、上新粉などでお団子を作りお供えします。
葬儀社と葬儀の内容などの打ち合わせをいたします。喪主を決め、菩提寺がある場合は連絡し、日程のご都合などを伺います。ご住職のご都合をもとに、式場・火葬場の予約日時を調整し、決定後、ご親戚・関係者などへ連絡します。
故人様のお召しかえ(経帷子などの旅支度など)を行い、ご納棺をいたします。湯灌を行う場合もあります。お通夜の開式後、僧侶の読経がはじまり、その後、喪主から順次お焼香を行います。喪主のご挨拶ののち、通夜ぶるまいとして、お食事やお酒、お茶などでおもてなしをいたします。
社葬においては、本葬(社葬)前の密葬時や、合同葬の場合にお通夜が営まれるケースがありますが、通夜とは、本来故人とごく親しかった方々が、葬儀の前夜、一晩中故人に付き添いお別れを惜しむための儀式でした。ですが最近では、日中の葬儀・告別式に仕事の関係などで参列できない会葬者のために、夜に営まれる儀式として認識されてきています。
開式後、僧侶の読経がはじまります。僧侶のお焼香(引導)があり、弔辞・弔電奉読ののち、喪主から順次お焼香を行います。
お別れの際は、お棺に故人様が愛用された思い出の品などを納め、お花でお顔やお身体の周りをお飾りし、最後のお見送りをいたします。
ご出棺に際しては、喪主または親族代表が参列者へお礼のご挨拶をいたします。霊柩車、マイクロバス、ハイヤーなどで火葬場へ向かいます。また、火葬場へ同行されない一般のご会葬者は、霊柩車をお見送りいたします。
火葬場からお帰りになりましたら、祭壇にご遺骨、白木のお位牌、遺影写真をご安置し、初七日法要のご用意をいたします。初七日法要は、正式にはご逝去された日を入れて7日目に行われるものですが、最近はさまざまな事情により、葬儀当日に繰り上げて行うことが多くなっています。
法要後の会食は、お通夜からお葬儀が終わるまでお世話になった方々へ、食事やお酒などをふるまい、喪主がお礼のご挨拶をいたします。
葬儀を終えて
ご自宅に、後飾り壇を設えます。後飾り壇にはご遺骨、白木のお位牌、遺影写真などをご安置します。また、忌明け法要に合わせて本位牌を用意します。(宗派により異なります。)
法要について
法要は「追善供養」ともいい、残されたご家族が、故人の冥福を祈って行う儀式です。仏教では、ご逝去された日から数えて7日目にあたる初七日から、7日間ごとに7回、あの世で生前の功徳に対する裁判を受け、来世で行くべき場所が決定されると考えられています。このため、残されたご家族はそれぞれの裁判の日に、故人の冥福を祈って法要を営みます。そうすることで、少しでも良い来世へいけるようサポートするのです。
本来なら7回すべての法要に僧侶をお呼びし、仏壇の前などで読経をしていただくのが望ましいのですが、実家から離れた都市部などではなかなか難しいケースも多いようです。最近では、特に大切な法要として、初七日法要と忌明けの法要(四十九日忌や三十五日忌)のみを営むことも少なくありません。初七日法要は葬儀当日に営むことも多く、菩提寺と相談しながら、どのように、どの範囲で法要を営んでいくか決めていくとよいでしょう。
なお、仏教の中でも浄土真宗においては、ご逝去されてすぐ極楽浄土へ導かれるとされているため、法要の意味合いも少しかわり、追善供養としてではなく、亡くなった方を偲び、仏教の教えにふれる儀式とされています。法要には、上記の「忌日法要」(ご逝去日から7日間ごとに7回営む法要及び、百か日の法要)と「年忌法要」(決まった年に営む法要)があります。年忌法要は、故人の命日に営みます。
一般的には、亡くなられた翌年に営む「一周忌」からはじまり、亡くなられてから満2年目の「三回忌」、満6年目の「七回忌」、以降「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」を経て、その後は「五十回忌」「百回忌」と50年ごとの法要となります。地域により風習の違いがありますが、「三十三回忌」や「五十回忌」を「弔い上げ」として年忌法要を終えることが多く、特に五十回忌については、場合により慶事として扱われ、盛大に営まれるケースもあるようです。
社葬の準備と当日の流れ
さて、仏教式の葬儀の流れを簡単にご紹介いたしましたが、社葬の場合はどのようになるのでしょうか。続けてご紹介いたします。
正式に社葬の執行が決定したら、当日に向けての準備が始まります。臨時役員会では「社葬取扱規定」に従い、喪主の意向も考慮し、宗教形式を決定していきます。
セレモアでは、各企業の皆様のお考えに寄り添い、様々な式次第をご提案させていただきます。
タイムスケジュールの一例
※事前に準備された進行要領に基づき、社葬当日にリハーサルを行い詳細を確認します。リハーサルの後、係員は各責任者の指示により準備をすすめ、タイムスケジュールに基づき社葬を進行します。スムーズな進行には、一人ひとりの細やかな配慮が欠かせません。
通夜式 (一例)
- 開式の辞
- 読経
- 葬儀委員長 焼香
- 喪主 焼香
- 遺族・親族 焼香
- 来賓・会葬者 焼香
- 閉式の辞
- 通夜会食
葬儀・告別式 (一例)
- 開式の辞
- 読経
- 弔辞(1)
- 弔辞(2)
- 弔電奉読
- 葬儀委員長 謝辞
- 葬儀委員長 焼香
- 喪主 焼香
- 遺族・親族 焼香
- 弔辞者・来賓・会葬者 焼香
- お別れ
- 出棺挨拶(遺族代表者)
- 閉式の辞
- 出棺
社葬に向けて
社葬とは、企業の組織力をアピールし、後継者を中心とした万全な体制を示す場でもあり、絶対に成功させなければならない儀式です。そのためには事前の準備が何よりも大切になります。
弊社セレモアは「迅速な対応」「企画提案力」「執行技術力」「経済性」「サポート力」をもって、密葬から社葬の準備、そしてアフターフォローまで、完全サポートさせて頂きますのでまずはご相談ください。
※本項目は、講談社発刊/セレモア監修『社葬のすべて』から、一部内容を引用しております。